D004-2 悪性腫瘍組織検査

(1) 「1」の悪性腫瘍遺伝子検査は、固形腫瘍の腫瘍細胞を検体とし、悪性腫瘍の詳細な診断及び治療法の選択を目的として悪性腫瘍患者本人に対して行った、(2)から(4)までに掲げる遺伝子検査について、患者1人につき1回に限り算定する。ただし、肺癌におけるEGFR遺伝子検査については、再発や増悪により、2次的遺伝子変異等が疑われ、再度治療法を選択する必要がある場合にも算定できることとし、マイクロサテライト不安定性検査については、リンチ症候群の診断の補助を目的とする場合又は局所進行若しくは転移が認められた標準的な治療が困難な固形癌の抗悪性腫瘍剤による治療法の選択を目的とする場合に、当該検査を実施した後に、もう一方の目的で当該検査を実施した場合にあっても、別に1回に限り算定できる。
早期大腸癌におけるリンチ症候群の除外を目的としてBRAF遺伝子検査を実施した場合にあっては、K-ras遺伝子検査又はRAS遺伝子検査を併せて算定できないこととし、マイクロサテライト不安定性検査を実施した年月日を、診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(2) 「1」の「イ」の「(1)」医薬品の適応判定の補助等に用いるものとは、次に掲げる遺伝子検査のことをいい、使用目的又は効果として、医薬品の適応を判定するための補助等に用いるものとして薬事承認又は認証を得ている体外診断用医薬品又は医療機器を用いて、リアルタイムPCR法、PCR-rSSO法、マルチプレックスPCRフラグメント解析法又は次世代シーケンシングにより行う場合に算定できる。
なお、その他の方法により肺癌におけるEGFR遺伝子検査又は大腸癌におけるRAS遺伝子検査を行う場合は、令和4年3月31日までの間に限り、「1」の「イ」の「(2)」その他のものを算定できるものとする。
ア 肺癌におけるEGFR遺伝子検査、ROS1融合遺伝子検査、ALK融合遺伝子検査
イ 大腸癌におけるRAS遺伝子検査、BRAF遺伝子検査
ウ 乳癌におけるHER2遺伝子検査
エ 局所進行又は転移が認められた標準的な治療が困難な固形癌におけるマイクロサテライト不安定性検査

(3) 「1」の「イ」の「(2)」その他のものとは、次に掲げる遺伝子検査のことをいい、PCR法、SSCP法、RFLP法等により行う場合に算定できる。
ア 肺癌におけるK-ras遺伝子検査
イ 膵癌におけるK-ras遺伝子検査
ウ 悪性骨軟部組織腫瘍におけるEWS-Fli1遺伝子検査、TLS-CHOP遺伝子検査、SYT-SSX遺伝子検査
エ 消化管間葉系腫瘍におけるc-kit遺伝子検査
オ 悪性黒色腫におけるセンチネルリンパ節生検に係る遺伝子検査
カ 大腸癌におけるEGFR遺伝子検査、K-ras遺伝子検査、マイクロサテライト不安定性検査(リンチ症候群の診断の補助を目的とする場合に限る。)

(4) 「1」の「ロ」処理が複雑なものとは、次に掲げる遺伝子検査のことをいい、使用目的又は効果として、医薬品の適応を判定するための補助等に用いるものとして薬事承認又は認証を得ている体外診断用医薬品又は医療機器を用いて、次世代シーケンシング等により行う場合に算定できる。
なお、その他の方法により悪性黒色腫におけるBRAF遺伝子検査を行う場合は、令和4年3月31日までの間に限り、「1」の「イ」の「(2)」その他のものを算定できるものとする。
ア 肺癌におけるBRAF遺伝子検査、METex14遺伝子検査
イ 悪性黒色腫におけるBRAF遺伝子検査(リアルタイムPCR法)
ウ 固形癌におけるNTRK融合遺伝子検査

(5) 患者から1回に採取した組織等を用いて同一がん種に対して「1」の「イ」処理が容易なものと「1」の「ロ」処理が複雑なものを実施した場合は、「注1」及び「注2」の規定に基づき、それぞれの検査の項目数に応じた点数所定点数を合算した点数により算定する。

(6) 「1」の悪性腫瘍遺伝子検査を算定するに当たっては、(2)から(4)までに掲げる遺伝子検査の中から該当するものを診療報酬明細書の摘要欄に記載すること。

(7) 「1」の悪性腫瘍遺伝子検査、区分番号「D006-2」造血器腫瘍遺伝子検査、区分番号「D006-6」免疫関連遺伝子再構成、区分番号「D006-14」FLT3遺伝子検査又は区分番号「D006-16」JAK2遺伝子検査のうちいずれかを同一月中に併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。

(8) 肺癌において、「1」の「イ」の「(1)」医薬品の適応判定の補助等に用いるもののうち、(2)のアに規定する肺癌におけるEGFR遺伝子検査(「1」の「イ」の「(2)(2)」その他のものにより算定する場合も含む。)と区分番号「D006-12」EGFR遺伝子検査(血漿)を同一月中に併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。

(9) 肺癌において、「1」の「イ」の「(1)」医薬品の適応判定の補助等に用いるもののうち、(2)のアに規定する肺癌におけるALK融合遺伝子検査と区分番号「N002」の「6」ALK融合タンパク又は区分番号「N005-2」ALK融合遺伝子標本作製を併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。

(10) 乳癌において、「1」の「イ」の「(1)」医薬品の適応判定の補助等に用いるもののうち、(2)のウに規定する乳癌におけるHER2遺伝子検査と区分番号「N005」HER2遺伝子標本作製を併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。

(11) 卵巣癌において、「1」の「ロ」処理が複雑なもののうち、(4)のウに規定する固形癌におけるNTRK融合遺伝子検査と区分番号「D006-18」BRCA1/2遺伝子検査の「1」腫瘍細胞を検体とするものを併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。

(12) 次世代シーケンシングを用いて、抗悪性腫瘍剤による治療法の選択を目的として特定の遺伝子の変異の評価を行う際に、包括的なゲノムプロファイルを併せて取得している場合には、包括的なゲノムプロファイルの結果ではなく、目的とする遺伝子変異の結果についてのみ患者に提供すること。また、その場合においては、目的以外の遺伝子の変異に係る検査結果については患者の治療方針の決定等には用いないこと。

13) 「2」の抗悪性腫瘍剤感受性検査は、手術等によって採取された消化器癌、頭頸部癌、乳癌、肺癌、癌性胸膜・腹膜炎、子宮頸癌、子宮体癌又は卵巣癌の組織を検体とし、HDRA法又はCD-DST法を用いて、抗悪性腫瘍剤による治療法の選択を目的として行った場合に限り、患者1人につき1回に限り算定する。

14) 当該検査の対象となる抗悪性腫瘍剤は、細胞毒性を有する薬剤に限る。また、当該検査に係る薬剤の費用は、所定点数に含まれる。

1315) 肺癌患者の血漿を検体とし、抗悪性腫瘍剤による治療法の選択を目的として、次世代シーケンシングによりMETex14遺伝子検査を行った場合は、本区分の「1」の「ロ」複雑なものの所定点数を準用して患者1人につき1回に限り算定する。
ア 本検査の実施は、医学的な理由により、肺癌の組織を検体として、「1」の「ロ」処理が複雑なもののうち、(4)のアに規定する肺癌におけるMETex14遺伝子検査を行うことが困難な場合に算定できる。
イ 本検査の実施にあたっては、肺癌の組織を検体とした検査が実施困難である医学的な理由を診療録及び診療報酬明細書に記載すること。
ウ 本検査と、肺癌の組織を検体とした「1」の「ロ」処理が複雑なもののうち、(4)のアに規定する肺癌におけるMETex14遺伝子検査を同一月中に併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。
エ 本検査と、肺癌の組織を検体としてMETex14遺伝子検査以外の検査を併せて行った場合には、「注2」の規定を適用し、本検査を含めた検査の項目数に応じた点数により算定する。

(16) RAS遺伝子検査(血漿)は、「1」の「ロ」処理が複雑なものと、「イ」処理が容易なものの「(1)」医薬品の適応判定の補助等に用いるものの所定点数を準用して算定する。
ア 本検査は、大腸癌患者の血漿を検体とし、抗悪性腫瘍剤による治療法の選択を目的として、高感度デジタルPCR法とフローサイトメトリー法を組み合わせた方法により行った場合に、患者1人につき、1回に限り算定できる。ただし、再度治療法を選択する必要がある場合にも算定できる。なお、本検査の実施は、医学的な理由により、大腸癌の組織を検体として、「1」の「イ」処理が容易なもののうち、(2)のイに規定する大腸癌におけるRAS遺伝子検査又は(3)のカに規定する大腸癌におけるK-ras遺伝子検査を行うことが困難な場合に限る。
イ 本検査を実施した場合は、大腸癌の組織を検体とした検査が実施困難である医学的な理由を診療録及び診療報酬明細書に記載する。
ウ 本検査と、大腸癌の組織を検体として、「1」の「イ」処理が容易なもののうち、(2)のイに規定する大腸癌におけるRAS遺伝子検査又は(3)のカに規定する大腸癌におけるK-ras遺伝子検査を同一月中に併せて行った場合には、主たるもののみ算定する。


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