第6部 注射
<通則>
1 注射に係る費用は、第1節注射料、第2節薬剤料及び第3節特定保険医療材料料(別に厚生労働大臣が定める保険医療材料のうち注射に当たり使用したものの費用に限る。)に掲げる所定点数を合算した点数によって算定する。
2 生物学的製剤注射加算
(1) 「通則3」の生物学的製剤注射加算を算定できる注射薬は、トキソイド、ワクチン及び抗毒素であり、注射の方法にかかわらず、次に掲げる薬剤を注射した場合に算定できる。
ア ○局 乾燥組織培養不活化狂犬病ワクチン
イ 組換え沈降B型肝炎ワクチン(酵母由来)
ウ 組換え沈降B型肝炎ワクチン(チャイニーズ・ハムスター卵巣細胞由来)
エ 肺炎球菌ワクチン
オ 髄膜炎菌ワクチン
カ 沈降破傷風トキソイド
キ ○局 ガスえそウマ抗毒素
ク 乾燥ガスえそウマ抗毒素
ケ ○局 乾燥ジフテリアウマ抗毒素
コ ○局 乾燥破傷風ウマ抗毒素
サ ○局 乾燥はぶウマ抗毒素
シ ○局 乾燥ボツリヌスウマ抗毒素
ス ○局 乾燥まむしウマ抗毒素
(2) 区分番号「G005」中心静脈注射又は区分番号「G006」植込型カテーテルによる中心静脈注射の回路より生物学的製剤を注入した場合は、「通則3」の加算を算定できる。
3 精密持続点滴注射加算
(1) 「通則4」の精密持続点滴注射は、自動輸液ポンプを用いて1時間に30mL以下の速度で体内(皮下を含む。)又は注射回路に薬剤を注入することをいう。
(2) 1歳未満の乳児に対して精密持続点滴注射を行う場合は、注入する薬剤の種類にかかわらず算定できるが、それ以外の者に対して行う場合は、緩徐に注入する必要のあるカテコールアミン、βブロッカー等の薬剤を医学的必要性があって注入した場合に限り算定する。
(3) 区分番号「G003」抗悪性腫瘍剤局所持続注入の実施時に精密持続点滴を行った場合は、「通則4」の加算を算定できる。
(4) 区分番号「G005」中心静脈注射又は区分番号「G006」植込型カテーテルによる中心静脈注射の回路より精密持続点滴注射を行った場合は、「通則4」の加算を算定できる。
4 外来化学療法加算
(1) 「通則6」に規定する外来化学療法加算については、入院中の患者以外の悪性腫瘍等の患者に対して、抗悪性腫瘍剤等による注射の必要性、副作用、用法・用量、その他の留意点等について文書で説明し同意を得た上で、外来化学療法に係る専用室において、悪性腫瘍等の治療を目的として抗悪性腫瘍剤等が投与された場合に、投与された薬剤に従い、いずれかの主たる加算の所定点数を算定する。同一日に「(1)」に掲げる抗悪性腫瘍剤を注射した場合と「(2)」に掲げる抗悪性腫瘍剤以外の薬剤を注射した場合は併せて算定できない。
(2) 外来化学療法加算1を届け出た保険医療機関において外来化学療法加算1を算定するに当たり、当該保険医療機関で実施される化学療法のレジメン(治療内容)の妥当性を評価し、承認する委員会(他の保険医療機関と連携し、共同で開催する場合を含む。)において、承認され、登録されたレジメンを用いて治療を行ったときのみ算定でき、それ以外の場合には、外来化学療法加算1及び2は算定できない。
(3) 「(1)」に掲げる抗悪性腫瘍剤を注射した場合は、薬効分類上の腫瘍用薬を、区分番号「G000」皮内、皮下及び筋肉内注射以外により投与した場合に算定する。なお、この場合において、引き続き薬効分類上の腫瘍用薬を用いて、入院中の患者以外の患者に対して在宅自己注射指導管理に係る自己注射に関する指導管理を行った場合であっても、同一月に区分番号「C101」在宅自己注射指導管理料は算定できない。
(4) 「(2)」に掲げる抗悪性腫瘍剤以外の薬剤を注射した場合は、次に掲げるいずれかの投与を行った場合に限り算定する。なお、この場合において、引き続き次に掲げる製剤を用いて、入院中の患者以外の患者に対して在宅自己注射指導管理に係る自己注射に関する指導管理を行った場合であっても、同一月に区分番号「C101」在宅自己注射指導管理料は算定できない。
ア 関節リウマチ、クローン病、ベーチェット病、強直性脊椎炎、潰瘍性大腸炎、尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬又は乾癬性紅皮症の患者に対してインフリキシマブ製剤を投与した場合
イ 関節リウマチ、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎、全身型若年性特発性関節炎又はキャッスルマン病の患者に対してトシリズマブ製剤を投与した場合
ウ 関節リウマチの患者に対してアバタセプト製剤を投与した場合
エ 多発性硬化症の患者に対してナタリズマブ製剤を投与した場合
オ 全身性エリテマトーデスの患者に対してベリムマブ製剤を投与した場合
(5) 「通則7」に規定する連携充実加算については、外来化学療法加算1を届け出た保険医療機関において、入院中の患者以外の悪性腫瘍の患者に対して、外来化学療法加算1(抗悪性腫瘍剤を注射した場合)を算定する日に、次に掲げる全ての業務を実施した場合に月1回に限り算定する。
ア 化学療法の経験を有する専任の医師又は化学療法に係る調剤の経験を有する専任の薬剤師が必要に応じてその他の職種と共同して、患者に注射又は投薬されている抗悪性腫瘍剤等の副作用の発現状況を評価するとともに、副作用の発現状況を記載した治療計画等の治療の進捗に関する文書を患者に交付すること。なお、当該文書に次に掲げる事項が記載されていること。
(イ) 患者に実施しているレジメン
(ロ) 当該レジメンの実施状況
(ハ) 患者に投与した抗悪性腫瘍剤等の投与量
(ニ) 主な副作用の発現状況(「有害事象共通用語規準v5.0日本語訳JCOG版」に基づく副作用の重篤度のスケール(Grade)及び関連する血液・生化学的検査の結果等)
(ホ) その他医学・薬学的管理上必要な事項
イ 治療の状況等を共有することを目的に、交付した治療計画等の治療の進捗に関する文書を他の保険医療機関又は保険薬局の医師又は薬剤師に提示するよう患者に指導を行うこと。
ウ 他の保険医療機関又は保険薬局から服薬状況、抗悪性腫瘍剤等の副作用等に関する情報が提供された場合には、必要な分析又は評価等を行うこと。
エ 悪性腫瘍の治療を担当する医師の診察に当たっては、あらかじめ薬剤師、看護師等と連携して服薬状況、抗悪性腫瘍剤等の副作用等に関する情報を収集し、診療に活用することが望ましい。
オ 療養のため必要な栄養の指導を実施する場合には、管理栄養士と連携を図ること。
5 特定入院料等注射の手技料を含む点数を算定した場合は、「通則3」、「通則4」及び「通則5」の加算は算定できない。なお、使用薬剤の薬価(薬価基準)に収載されている臨床試用医薬品を使用した場合は、第2節薬剤料は算定せず、第1節注射料及び第3節特定保険医療材料料のみ算定する。
6 心臓内注射及び痔核注射等の第1節に掲げられていない注射のうち簡単なものに係る費用については、第2節薬剤料に掲げる所定点数のみ算定する。ただし、胸腔注入、前房注射、副鼻腔注入及び気管支カテーテル薬液注入法については、第2章第9部処置に掲げる所定点数をそれぞれ算定し、これらに係る薬剤料の算定に関しては第2章第5部投薬の区分番号「F200」薬剤の(4)、(5)及び(8)の例による。
7 第1節に掲げられていない注射のうち、特殊なもの(点数表にあっても、手技が従来の注射と著しく異なる場合等を含む。)の費用は、その都度当局に内議し、最も近似する注射として準用が通知された算定方法により算定する。
8 区分番号「G001」静脈内注射、区分番号「G004」点滴注射、区分番号「G005」中心静脈注射又は区分番号「G006」植込型カテーテルによる中心静脈注射のうち2以上を同一日に併せて行った場合は、主たるものの所定点数のみ算定する。
9 区分番号「G004」点滴注射、区分番号「G005」中心静脈注射及び区分番号「G006」植込型カテーテルによる中心静脈注射の回路に係る費用並びに穿刺部位のガーゼ交換等の処置料及び材料料については、それぞれの所定点数に含まれ、別に算定できない。
10 人工腎臓の回路より注射を行った場合は、当該注射に係る費用は別に算定できない。